栄養からのコロナ対策

 

栄養を十分に摂ることで、コロナなどの感染症の予防は可能です

 

栄養療法をする方は、まずは便秘や下痢といった胃腸トラブルを解消しましょう

胃腸が弱ったままではやみくもに栄養を入れても効きません

 

例えば、便秘・下痢対策には基本が2つあります

①小麦・乳製品・加工食品をやめる(できるだけ)

②自宅で作った豆乳ヨーグルトを食べる(牛乳ヨーグルトは当院ではおすすめしていません)

この2つをやっても便秘や下痢が治まらなければ、個別に必要なものが変わってきます。

 

胃腸をケアするやり方はこちら↓

 では胃腸が治ったとして、

どんな栄養素を摂ればいいのでしょう?

 

①マグネシウム 

②亜鉛     

③ビタミンC

④ビタミンD

⑤ビタミンA

⑥ビタミンE

 

です

 

順に説明しましょう

マグネシウムから始めるのが吉

まずはマグネシウムです。

1番に勧める理由は

「食材から摂取しやすい」

「効果を感じやすい」

「副作用の心配が少ない」からです。

 

体感できるメリットを6つ挙げます。

①疲れにくくなる:ミトコンドリア内でエネルギーの缶詰ATPがスムーズに作られるようになるから

②冷え性が改善する:ATPがスムーズに消費されるから

③血圧が下がる:血管の筋肉が緩むから

④血糖値がさがる:グルカゴンの分泌が抑えられるから

⑤メンタルがよくなる:グルタミン酸受容体を抑制するから

⑥睡眠の質がよくなる:メラトニンが作られるから

 

 一番オススメの方法は、

「マグネシウム粉を湯船に入れて10分浸かる」です。

アマゾンでマグネシウム粉末「塩化マグネシウム」「エプソムソルト」があります。

塩化マグネシウムなら大さじ1杯、

エプソムソルトなら付属のスプーン5杯を
浴槽にいれて10分つかります。

皮膚からマグネシウムが入ってきます。

冷え性の方は体がほっかほかに温まるのを実感できます。

我が家のお風呂がどんな温泉地にも負けない名湯になりますよ

 

食材では

①アオサ、わかめ、のりなどの海藻類

②大豆 小豆などの豆類 

③ナッツなどの種実 

④青物の葉野菜 

に多く含まれています

 

特にアオサがおすすめです。重量の3%強がマグネシウムです。

3gも取れば1日の不足量(100mg)が補えます。

マグネシウムの推奨摂取量は300mgです。

ストレスの多い今は多めに500mg摂りたい。

ですが、アオサは品薄ですよね

 

アオサが無いなら板海苔でもOKです

全型で1枚重量3g、マグネシウムは42mg摂取できます

全型サイズは手巻き寿司だと2本できますね。

男性だと2本食べれますが、女性にとっては1本で満腹かもしれません。

 

甲状腺に異常のある方は、海藻はとりすぎに注意してくださいね。

 

 

スーパーににがり水が売ってあります。

1回で1・2滴ほど1日合計20滴、飲みものに垂らすといいですね。

一度に何十滴も入れませんように。苦くて飲めません!

 

サプリ愛好家の方は、amazonでNu Science社 の「超高度マグネシウム」がオススメです。

液体で塩化マグネシウムです。

塩化マグネシウムのほうが、アミノ酸で挟み込んだ米国産の一般的なサプリより吸収率がよいです。

 

 

 

分子栄養学的に理屈をいうと、マグネシウムの働きはざっくり3つです。

 

①ミトコンドリアでATPをつくる

→ Mgが足らなくなると細胞がATP不足になります。

細胞のガス欠です。その結果、内臓も筋肉も働きが落ちます

すると人間は慢性的に疲労を感じるようになります

マグネシウムを摂り始めた方からは、数日のうちに「なんだか疲れにくくなった」

という声をよくいただいています

     

 

②細胞膜でカルシウムの出入りを調節する

→ 骨格筋・平滑筋を動かすのにMgは欠かせません 

足らなくなると、骨格筋・内蔵平滑筋では筋が緊張します

ふくらはぎならこむら返りが起きます

全身の筋で起こると、線維筋痛症です

Mg不足で血管平滑筋が緊張すると高血圧になります

 

③核でDNA・RNAを産生する

 

Mgが足らなくなると、DNAの転写やRNAの合成が妨げられます。

細胞分裂に悪影響を及ぼし、細胞の新生やタンパク質合成が低下してしまいます。

細胞新生ができなくなるとガン化もありうる。

タンパク合成が低下すると、筋肉だけでなく、

消化酵素や神経伝達物質も減ってきます。

なぜなら、消化酵素や神経伝達物質はタンパク質からできているからです

    

長寿村の共通点に、「発酵食品や海藻をよく食べている」というのがあります。

個人的意見なのですが、それは一因としてマグネシウムのおかげではと考えています。

 

透析中など腎機能が低下している人は、ミネラル排出障害がありますから、

マグネシウムの摂取は慎重に行う必要があります。

ドクターに相談してくださいね。

 

 

結論:「マグネシウム補給に、海藻をとりましょう。特にアオサ、海苔がオススメ」

 

 

2番めに亜鉛がオススメ 胃腸が弱い人は慎重に

亜鉛の効果

亜鉛の効果をあえて3つに絞りこんでみました

①免疫力アップ

亜鉛は免疫ミネラルと言ってもよいです

免疫細胞の働きを助けます

 

体の中で最も亜鉛濃度が高いところは、白血球です

それだけ白血球は亜鉛を必要としています

 

白血球の一つにT-reg(制御性T細胞)があります

T-reg細胞は免疫システムのブレーキ&なだめ役です

コロナで怖いのは、一つにはサイトカイン・ストームです

亜鉛があるとT-reg細胞の働きがよくなり、免疫の暴走を鎮めることができます

 

亜鉛はウイルスに直接結合し、ウイルスのタンパク質を切断する働きもあります

②細胞新生=DNAを複製する

DNAの2重螺旋を2つに裂くのが「ジンクフィンガー」というタンパク質です

ジンクとはZinc=亜鉛です

細胞を新生するのに必須となりますので、

細胞分裂の盛んな場所、

例えば皮膚、腸粘膜、精巣、子宮粘膜には欠かせません。

亜鉛は粘膜ミネラルとも言えます
亜鉛を取り始めたら皮膚や粘膜が強くなったという声はよく耳にします
特に成長期や妊活中&妊娠中には意識して摂っておきたいですね

③解毒=有害重金属を排出

亜鉛は体内でメタロチオネインという酵素の活性中心になります。

このメタロチオネインは水銀や鉛、過剰な銅などの有害重金属を排出してくれます

近年では海の水銀汚染が年々進んでいるといわれています。

これから先の未来では、亜鉛の必要性がますます高まってくるでしょう。

 

デトックスが進むと、抗酸化、抗炎症が速やかに進み、

結果として免疫力や新陳代謝がアップします

健康に自信があるかたも、元気なうちから摂っておいて全く損はありません。

亜鉛の食材

①にぼし粉(いわし粉)

 

最大のオススメは「にぼし粉」です

スーパーの出汁コーナーに行くと手に入ります

火にかける前に1椀分あたり小さじ1杯入れてください

旨味がぐっと増しますよ

 

ごはんや冷奴にふりかけても美味しい

小さじ1杯は6g、亜鉛含有量は0.42mgです

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10045_7

朝と夜で合計2杯摂れれば、0.84mg(1日の5%)の亜鉛が摂取できます

 

カルシウム・マグネシウム・鉄もいっしょにとれます。煮干し粉はミネラルの宝庫ですね

当院オススメの煮干し粉はこちら↓

生臭さがなくこどもたちにも好評です

②納豆

庶民のテッパンメニューですね

 1パック40gで0.8mgです

付属のたれは添加物がてんこ盛りですので使わないほうが吉。

たれにはお酢を使えば、消化も良くなり血圧を下げる効果も期待できます。

③豆腐(木綿)

小さめのパック半分の100gで 0.6mg(4%)です

にがりを使っていればマグネシウムも57mg(20%)摂れます

④牛 赤肉

亜鉛をたくさん摂れるのは、牛肉の赤身です

脂の多いバラや霜降りではなく、
赤身の多いカタやモモを選びましょう

100gあたり5mg前後の亜鉛が入っています 

 

抗生剤や残留ホルモンが心配されますので、
米国産ではなく、できれば国産か欧州産が安心です 

牡蠣やレバーにもたくさん含まれていますが、
頻繁に食べれるものではないので外しました

シミュレーションしてみました

 

ここでシミュレーションしてみましょう

 

白米ご飯1膳で0.9mg(玄米は1.2mg)

たまご1個で1.2mg

 

1日で例えば以下摂るとしましょう。

 

煮干し粉 小さじ2杯 0.84mg

白米   お茶碗2杯 1.8mg(発芽玄米なら3.8mg)

納豆   1パック 0.8mg

豆腐   半丁   0.6mg

卵    2個   2.4mg

 

これを毎日のベースとして6.44mg 一日の43%となりました

これに時々、牛肉・牡蠣・レバーや、豆や種実のごま、アーモンドを加えて15mgを目指しましょう 

※亜鉛の推奨量は成人男性で11mg 成人女性で8mgです

 病弱な方は亜鉛が少ないことが多いので、ここでは目標値を15mgとしました
 耐用上限量は75歳以上女性で30mgですので、たとえ15mg摂っても問題ありません 

亜鉛吸収のコツ

亜鉛や鉄を吸収するには、胃酸を分泌させる食材やビタミンÇをいっしょに摂るのがポイントです
吸収率が上がります

 

ミネラルの吸収にはもう一つコツがあって、

腸内環境を整えておくことです

 

腸内に善玉菌が少ないと、亜鉛やマグネシウムなどのミネラルは吸収しにくくなります

ミネラルは善玉菌が分泌する短鎖脂肪酸(乳酸・酪酸・酢酸)とくっついて始めて、

腸粘膜を通過できるからです。

 

善玉菌をとって便秘を解消し、腸からミネラルを吸収できるようにしておきましょう

胃酸促進のためにレモン・酢の物・梅干し・パセリを食のはじめに摂ります。

お肉、お魚にはレモン汁が最高です。

ビタミンCとしてレモンやキウイなどをいっしょに摂るといいですね

 

ミネラルの吸収のため以外にも、腸はたくさんの働きをしてくれる最重要臓器です
そんな腸のトラブルでよくあるのが「腸漏れ」です
別記事で説明していますので、そちらもご参考ください

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